J-POPの歌詞のレベルが落ちてきている理由
先日、匿名の知らない人とチャットをしていてこの話になった時に感心され、意外と皆知らないことなのかなと思ったのでここで一応書いておきます。
僕が思うに、歌詞のレベルというのは落ちていかざるを得ないと思っています。現在のアーティストが昔の大人ほど大人びていないとか、昔の人は若くてもすごいアーティストだったとか、そういうことはなく、音楽のレベルは年々上がっていってると感じます。しかし、歌詞のレベルは落ちてきています。
その理由というのはすごく簡単なことで、歌詞と曲の比重がどんどん曲のほうに傾いてきているからです。傾く理由は、現在の時代の流れと同じく、どんどん楽しみ方が簡略化されてきているというのがあると思います。
たとえば、ラジオからテレビ。音だけではなく映像が付き、さらに映像がより美しくなった4Kテレビが出たりと、映像がどんどん綺麗になってきていますので、耳で言葉や音を聴かなくても目で見るだけで簡単に楽しめてしまうのです。
ネットもそうです。掲示板やチャット、ホームページといったサービスから、TwitterやfacebookなどのSNSサービスで手軽に他人と交流を深められ、簡単に発信・表現できるサービスに移行してきました。これも時代の流れと共に楽しみ方が簡略化してきているといえるでしょう。
それらと同じように、曲も時代と共に進化をし続け、言葉を頭の中で整理して楽しまなくても曲に耳を委ね、曲の響きだけで楽しくなれるようになってきています。perfume、きゃりーぱみゅぱみゅ、SEKAI NO OWARI、Daft PunkなどのEDMが流行しているのは必然的といえるでしょう。
昔の音楽、日本でいえば演歌がいい例です。曲調の幅は狭く、その反面、歌詞は日本語の響きや情緒を最大限に生かせるように進化してきていますが、演歌は決して人気があるとはいえません。それは楽しみ方が簡略化されてきた現代では演歌の楽しみ方が難しく感じるからです。
最近の音楽はジャンルが幅広いので一概に語ることは難しいですが、人気のあるバンドや歌手はメロディやバックサウンドをとても重要にしていると感じます。もちろん歌詞を大事にしているバンドや歌手の方もいます。とはいえ、歌詞が注目されることはほぼなくなってきています。
このまま歌詞のレベルが落ちていき、ただ響きだけのために使われることが増えてくるかもしれません。しかし、曲の深みというのは歌詞から生まれてくるものだと思いますので、簡略化していく中でも歌詞を大事に歌っていってほしいなと思います。