「つよきす」ファンは「辻堂さんの純愛ロード」をプレイすべきか?

 ツンデレゲーの金字塔「つよきす」の原作・シナリオを担当したタカヒロさん、「つよきす3学期」のシナリオを担当したさかき傘さんがタッグを組んで制作された「辻堂さんの純愛ロード」。キャラや舞台設定のみタカヒロさんが考え、シナリオはさかき傘さんが担当しています。

 僕はつよきす3学期」の面白さが異常だと思うのでそれに次ぐくらいのものなら良いなと思って購入しましたが、「つよきす」や「つよきす3学期」のようにラブコメのコメディ要素がものすごく強いものではなく、明るく楽しい雰囲気のあるラブコメで、「つよきすNEXT」に近い印象でした。

 攻略可能キャラは、メインヒロインである辻堂愛、片瀬恋奈、腰越マキの3人。全員が物語の舞台である湘南の3大ヤンキーに位置しており、性格も三者三様で、物語も三者三様でうまく分かれていました。辻堂愛は純愛でバカップルな感じで、片瀬恋奈ツンデレキャラで周りのサブキャラも巻き込んだストーリー重視の展開があり、腰越マキはエロ重視。あとおまけ要素として主人公の姉・冴子も攻略でき、これはシスコンブラコンの甘々な話タカヒロの代表作である「つよきす」や「姉しよ」のファンをこちらに呼び込みつつ新しい事への挑戦を――という目論見があったのかなぁなんて考えてしまう攻略キャラのラインナップに感じました。

f:id:gomanii2:20170911004940j:plain

左から順に片瀬恋奈、辻堂愛、腰越マキ

 一キャラずつ感想を言いたいところではあるんですが、辻堂愛と腰越マキと冴子はあまり印象に残りませんでした。片瀬恋奈は個人的にシナリオがかなり良くて引き込まれました。前半は片瀬恋奈と同じ組の人たちとの和気藹々な話で、笑うというより癒されたんですけども、後半にはシリアスな展開になり、これからどうなるんだろうとドキドキしながらじっくりテキストを追って読んでしまいました。「つよきすNEXT」の龍鳴祭ルートや「つよきすFESTIVAL」の霧夜勝気ルートまではいきませんが、それに劣らないくらい楽しかったです。

 プレイ時間はオートで流したり起動するだけで何もしなかったりでしたが、色々なところで見るプレイ時間の中央値である40時間の倍以上はプレイしていた気がします。それだけ楽しかったというより、ただただ長かった。印象としてはまずそれが一番です。ゲームを遊ぶというより、寝る前にお風呂に入るみたいに習慣としてオートプレイしてたような感じでした。

 というわけで、「つよきす」ファンはこのゲームを無理して買う必要はないと思います。さかき傘さんの雰囲気はモロに出てるので「つよきすNEXT」みたいな楽しい雰囲気のラブコメが好きならやっていいかもしれません。でも満足度でいうと「つよきすNEXT」のほうが圧倒的に良かったです。改めてつよきすシリーズって本当に偉大だなあと感じるゲームでした。