ネカマvs中2

 スマホのアプリで、「eyeland」という、近所の人とおしゃべりができるチャットアプリがあるんだけども、そこはほぼ出会い系と化していて、異性とちょっと仲良くなればメアド交換、なんていうことが平然に行われている。ただ女の子の数はあまり多くなく、顔を出している女の子がいたとしても基本的にビッチであるために声をかけづらく、仲が発展していくのはビッチとヤリチンくらいという、まさにビッチとヤリマンのためのアプリなのである。 

  そんなアプリなので、男である僕が女の子を釣るのは難しい。仮にメアド交換ができたとしても、いい女性に巡り合える可能性なんて無いに等しい。じゃあ女になりきれば男は簡単に釣れるんじゃないのか?という逆転の発想を思いつき、ネカマをして男を釣るという遊びをすることにした。

  実はネカマの経験はそこそこあって、一番初めは高2の頃に女になりすましてチャH(チャット上で喘ぎ声を打ったり今○○をいじってるよなどと言い仮想セックスを楽しむもの)をしていた事があったり、chatpad(1対1でチャットできるネットサービス)でも似たような事をして男を釣りまくって遊んだ事があったから自信があった。

 eyelandは、高2の時に利用していたチャットサービスやchatpadとは違い、完全に出会い系と化しているために釣るのは容易だった。43歳のおっさんに援交を持ちかけられたりもしたし、若い男に声をかければ一瞬でメアド交換まで持ち込めた。とにかく色んな男から声がかかるし、声をかければすぐに釣れる。今までに釣った男どもよりも格段に頭が悪い奴しかいない。そんな頭の悪い男たちの中でも変わった男に出会ったので、その話をしていこうと思う。 

  その前にネカマの設定を書いておく。年齢は23歳で、経理事務をしている「ヤナミ」ちゃん。強気な性格が原因で彼氏ができず、ネット上では弱気な一面を見せて男を落としていくというやり方だ。ちなみに趣味はアニメとゲーム。僕がそういう話しかできないから。

 だいたいの男どもは大学生から新卒社会人(20歳~23歳)あたりが大多数を占めているのだが、そんな中、中2の男が僕に話しかけてきた。いろんなところでネカマをしてきたが、こんなに若い男の子を見たのははじめてだったし、声をかけてきたのも驚いた。出会い系と化しているアプリに、間違えて迷い込んでしまったのだろうか。その14歳の迷える男の子が23歳の女性(設定)に一番最初に送ってきたメッセージはこうだった。 


 14歳の男の子「エッチしよう」


 強気だった。年齢が9歳離れていようが相手は女の子だという気持ちからくる強気な発言だった。にしても一通目からこれでは女の子は「よし、エッチしよう!」という気にはなれない。どれだけビッチといえど難しい。もし童貞狩りを趣味としたショタコンの女の子だったとしても、こんな強気なショタはやりづらいのではなかろうか。 とはいえ、こちらは女の子ではなくネカマだし、遊ぶのが目的である。面白そうなので、このままからかってみることにした。

  僕(ヤナミちゃん)「いいよー、わたし、ちんこ好きだから欲しいんだけどだめかな?私のあそこの写真もあげるよ!」

 

 明らかなちんこ狙いである。なぜ中2の男の子のちんこが欲しいのかどうかは、別に僕がゲイだからとかバイだからとかではなく、自分のイチモツを他人に見られてそのまま終わる事がどれだけ辛いことなのかが身に染みているからである。詳しくは聞かないでほしい。すると、 


 14歳の男の子「わかった!どこに送ればいい?」


  ノリノリであるもう女のあそこの写真が欲しくてたまらないのだろう。自分のイチモツを見せるリスクなどどうでもいいのだろう。ネカマがどれほど多く存在するのかを知らないのだろう。この純粋すぎる男の子はまさに中2特有のモノそのもので、僕はそれにものすごくノスタルジックに感じ、思わず中2の頃の痛々しい過去を思い出し枕に顔をうずめた。 
 
 ひとしきりうずめ終えたあと、ちんこ写真を送ってもらうための捨てアドを教えた。普通なら携帯アドが欲しいはずなのだが、その男の子はその事について何も言わず、従順にちんこ写メを送ってきた。結構大きかった。平均(13cm)以上はあるのではないだろうか。ちょっとびっくりしてちょっと落ち込んだ。…いや、ちょっとどころではないかもしれない。さ、さて、こちらも送るか。そう思い、こちらも以前にネカマをしてゲットしたちんこ写メを送った。このちんこ写メは僕と同じくらいの粗チンである。中2に負けた写メの人、今度一緒にお酒を飲みましょう。 

 女の子のあそこの写真ではなく粗チン写メをあげることで「ドッキリでした!」となるはずなのだが、中2の男の子は諦めず「いいからま○こちょうだい」と言ってきた。もうヤナミちゃんがネカマだとわかっているのだろう。それでもただひたすらにま○こを求め続けた。このあまりにも純粋な、あまりにも健康的な姿勢に感動すら覚えた。一瞬ま○この写メをあげようかと思ったが、正しいネットの使い方を教えるためにもネットの怖さを教えてやる事にした。 

 具体的には説教じみたもので、「今後こういうものにはひっかからないようにしなさい、ひっかからないためには云々」などといったメールを送った。しかし中2の男の子にはもうま○こしか頭になく、「そんなことよりもさっさとま○こくれ」などと言ってくる始末。おそらく下半身はスッポンポンで早く処理したくてたまらないのだろう。

 とはいえ処理をさせてしまうのは癪なので、説教するのを諦めて他人にちんこ写メをあげた事についてチクチク言ってはみたものの「それがどうしたの?」「だから何?」などと中学生にありがちな反論をされた。とてもかわいい男の子で純粋なのはいいけれども、大人ばかりが集まる場でこんな振る舞いを続けることになれば、いずれネットで痛い目を見ることになるだろう。なので痛い目を見させてあげようという優しい思いから「世界中の人に見られるようなアップローダにあげといたから」と嘘を言ったところ、メールもチャットも突然途切れた。おそらく中2はかなりの赤っ恥をかいた事となったことだろう。さきほどの僕と同じように枕に顔をうずめることになるのだろうか。でもいいじゃねえか!そこそこでかいんだから!こっちのほうが悲しいんだよ!くそおおおお!!!! ・゚・(つД`)・゚・ ウェ―ン

  …とてもかわいい中2の男の子の黒歴史を作ってしまったわけだが、これで懲りてくれれば幸いである。ノスタルジックな気分に浸る事ができた、楽しいような悲しいようなネカマだった。