ドラクエ11(PS4版)をクリアしての感想

 ドラクエ11のためにPS4を購入してのプレイでしたが、大きな結論としては「大満足」といえる出来で本当に楽しかったです。ドラクエシリーズの中でも一番好きといえるかもしれません。というか、ドラクエシリーズそのものが好きなら必然的にこの作品が一番に挙がるんじゃないかという作り方でした。

 

【一番に感じたこと】

 まずプレイ中に一番に思った感想として、ただひたすらに丁寧な作り方をしているという事です。ひとつひとつのシステムやストレスが溜まりそうなポイントをこれ以上ないくらい潰していき、長所といえるポイントのみが浮き出ているような、欠点のない作りでした。

 

【作りがひたすら優しい!】

 RPGのジャンル自体でよくあることといえば、道に迷ったり、先に進む方法がわからなくなるなど、どうすればいいかわからない状態に陥ることだと思います。このあたりは今までのドラクエでもよくあったことで、ドラクエ2の紋章探しであったり、ドラクエ6の船入手後の行き先、ドラクエ7の石版探しなど、詰まるポイントは各シリーズにそれぞれあります。ドラクエ11も多少自由に行動する場面はあるものの、基本的に仲間に話しかけたり地図画面を開くだけで、どこに行けばいいのか明確に示してくれます。

 アイテムが床に落ちているので拾いに行くイベントなどもありますが、拾うべきアイテムは赤色で光って表示されるので非常にわかりやすいです。

 また、ドラクエ名物のちいさなメダルですが、今作は拾い忘れたとしても無限に回収できる場所が存在します。ちいさなメダルを落とす魔物もいますし、洞窟や街を隅から隅まで探索しなければならないというわけではありません。ただマップでしか拾えないアイテムも存在するので、アイテム欄を全部埋めるつもりであれば探し回る必要性はあります。ただ終盤で「とうぞくのはな」効果(マップ上にある宝がいくつあるか教えてくれる)のあるアイテムをもらえるので、それを参考にすれば無駄に探すことは少し減ります。

【戦闘について】

 戦闘は今までのドラクエシリーズだと9や10くらいで行われているシンボルエンカウントシステム。魔物が洞窟やフィールド上でウロウロしており、それに接触すれば戦闘がはじまるというものです。

 コマンド式RPGでいうとロマンシング・サガがシンボルエンカウントシステムの象徴となっているかと思いますが、ロマンシング・サガの場合、敵が味方に合わせて強くなるのもあって、主人公を見つければ戦いを挑もうと魔物が迫ってきます。ドラクエ11の場合、弱い敵なら主人公を見つけると逃げ出します。強い又は同格の敵なら迫ってきますが、足の速さは主人公と同じであり、5秒ほど逃げ切れば魔物は背中を見せて去っていきます。つまり、戦闘するのが嫌なら容易に避けられるようになってますし、、戦闘したいならば容易に接触できるようになっています。

 また、戦闘前に魔物を殴ってあらかじめダメージを与えた状態で戦闘に入れるようになっており、そうすれば少し格上の魔物であっても倒しやすくなりますし、強い敵と戦いたいなら殴らなければいいという、RPG初心者から上級者までカバーできるようなエンカウント方式でした。

 肝心の戦闘ですが、今までのドラクエといえば味方全員のコマンドを入力してから魔物と戦うという流れでしたが、今作は一人ひとり順番が回ってきた時にコマンドを入力するようになっています。なので、魔物から攻撃を受けた次の味方が回復呪文を唱えられたり、ルカニで魔物の守備力を下げてから攻撃をするという風に、効率の良い攻撃や守備が可能ということで、今までのドラクエのように味方や敵のすばやさを深く考慮する必要がなくなるわけです。

 色んな角度から戦闘方式を見直し、なんとなく古臭く感じたコマンド式戦闘も今風に正統進化を遂げました。戦闘は幾度となく行うものですからストレスが溜まるポイントが一つでもあればゲーム自体が面倒に感じるものですが、今作はそういうものが一切見受けられませんでした。

 

【シナリオについて】

 ※若干ネタバレを含みます。

 歴代ドラクエシリーズイベントのオマージュがたくさん詰め込まれているという印象を受けました。そしてそれはドラクエ11において必ず必要な事なのですが、詳しい話はまた後日にでも…。

 全体的なシナリオの出来としては、今までのシリーズの中でも一番力を入れて作っているように感じるほど会心の出来栄えといえると思います。泣けるポイント、笑えるポイント、熱くなれるポイント、本当にいろいろなことがバランスよく散りばめられていて、基本線として悲しい冒険のはずなのに前向きになれるような作りでした。

 エンディングを見たあとも、終わってしまったんだという放心状態もありますが、今までのドラクエシリーズそれぞれにある謎が少し解明されたかのような事や、逆に謎が深まった事もあり、ドラクエシリーズすべてをやり直したくなりました。

 

【音楽について】

 どんどん音楽が劣化していくのはシリーズが続くからにはしょうがないと思っていたのですが、ドラクエ11はかなり盛り返したんじゃないでしょうか。新曲の曲数は少なめですが、何度も何度も聴く戦闘BGMや街のBGMに飽きがくることはなかったので、いい曲ばかりなんだろうと思います。またこれもドラクエ11だからなのか、歴代シリーズのBGMが各所で使われていて、曲が流れると鳥肌が立つような興奮と感動がありました。ドラクエBGMがいかに優れているかわかりましたし、シナリオもそうでしたが、ドラクエ11が歴代シリーズに関係があるということを示唆しているともいえるのでしょう。とはいえ、シリーズ集大成として見事な仕上がりだったと思います。個人的に、ドラクエ3のあの曲とあの曲が流れたのは非常に興奮して鳥肌が立ちました。

 

【さいごに】

 最初から最後までユーザーを飽きさせず、初心者から上級者まで楽しめる作りになっており、歴代シリーズファンも大満足の素晴らしい作品だと思います。全クリしたにも関わらずもう一周したくなりましたし、ドラクエシリーズ全体が改めて好きになりました。現在はドラゴンクエストビルダーズ2が開発中とのことで、これも楽しみにしたいと思います。ちなみにプレイ時間は190時間、パーティー全員のレベルは99でした。こんなにハマったRPGドラクエ11だけです。スクエニ堀井雄二さんに大感謝!