カオナシとの再会

 みなさんは七夕をいかにしてお過ごしでしょうか。僕はデパートに置いてあるであろう笹に短冊に願い事を書いて子供に混じって飾ろうかと思ったのですが、笹が置いてあるところが一つもなく、願い事をすることもできませんでした。また、道中でイヤホンが断線して、願い事が叶うどころか嫌な事しか起こりませんでした。ひどい七夕です。

 そんな中、昨日は金曜ロードショーで「千と千尋の神隠し」をやっていました。懐かしかったですし、その時はパソコンが壊れてしまっていたために、普段やっていたネットサーフィンもままならなかったので観ることにしました。パソコンは今のところそれなりに復旧できましたが、何か忘れてる感じがずっとしています。

 まぁその「千と千尋の神隠し」には「カオナシ」というコミュ障でお金だけはある着ぐるみか何か着て仮面かぶってる、道端にいたら確実に通報されてる奴がいるんですが、以前にここで書いたように、僕は「カオナシ」と親睦がありました。宮崎駿はロリコンじゃなければ好きだとか言ってる自称女の「カオナシ」と親睦がありました。久しぶりにその「カオナシ」のことを思い出して、まだ残っていたアドレスにメールを送ってみることにしました。

 送信エラー通知は届かないのでおそらく届いたのかと思うのですが、まるで返事がありませんでした。僕のことをとっくに忘れていて気持ち悪がっているのか、それともメールを読んでいないのかわかりませんでしたが、個人的にはそれで満足してしまったのでよしとしました。

 そして今日、起きてメールBOXをチェックしたら「カオナシ」からメールが届いていました。「え?だれ?」と言われてしまいましたが、昔話していたキーワードをふんだんにメールに取り入れて送ったところ思い出してくれました。それから当時の話とかをしていたのですが、色々と当時の話をひっくり返される話をされました。

 まず、「カオナシ」は男で、当時はサクラをする社員だったとのこと。つまり、僕はずっと「カオナシ」に騙されていたということでした。それ以外の事はだいたい本当だったようでしたが、まぁ別に今更ですし、いい思い出が少し汚れただけですし、また話せた事の楽しさのほうが優っていたので別になんとも思いませんでした。それから個人情報を収集するコツや方法などを教えてくれました。出会い系サイトの手口は意外と奥が深いものだなと関心しながら聞いていました。

 そのあと、「カオナシ」は現在の状況を次々と口に出していきました。今は働いておらず、家も無いためにライブハウスに寝泊まりしているとのこと。年齢や本名なども突然言ってくる始末で、ここまでプライベートを語られるとこっちもプライベートを語らないと平等じゃないだろうと思い、僕も本名と現在の状況などを言いました。



 すると、連絡が途絶えたのです。



 現在も返事がなく、おそらく「カオナシ」は現在も出会い系サイトなど詐欺業をやっていて個人情報を収集しているのでしょう。まず自分の情報を言い、言ってもらうように頼むのではなく、個人情報を言わせるというわけなのでしょう。僕はまたしても騙されてしまいました。今はすごくさわやかな気分です。七夕なのに曇っていて織姫と彦星は怒り狂っている事でしょうが、僕はこんな日に不幸が重なりすぎて、雨が降りすぎたあとの快晴のような気分でした。そして、つい先ほど、PS3のフレンドが対戦相手がいなくて困ってたようなので誘ってみたところ、ちょうど他の対戦相手を見つけていました。晴れなのに雨が降ってくるという奇妙な天気が、僕の今の心境です。こんな事、僕は一秒たりとも願ってはいません。